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反応速度式の意味すること

反応速度式の意味すること

高校化学の最も大切なセクションの化学平衡に入る前に反応速度を学びますね。
aA+bB → cC という化学反応の一般的な反応速度の式
v=k[A]^a[B]^b (反応速度 = 比例定数k × Aのモル濃度のa乗 × Bのモル濃度のb乗)
がどういう意味を持つ式なのかを考えてみたい。

単純化のために、この反応式では係数a、bはどちらも1であるとしましょう。
するとV=k[A][B]となります。つまり、反応速度は反応物(反応の材料、ここでいうとAとB)のそれぞれの濃度の積に比例するという事になります。

濃度とは一体何か?

ここで濃度とは何か、そしてそれをかけるという事は何かを考えようと思います。

まず濃度ですね。この濃度はモル濃度ですからその定義は「1Lの溶液中の溶質のモル数かいくつか」です。
これを言い換えると、モル濃度は単位体積中の溶質のモル数である、となります。単位体積を選ぶのは他の濃度の値と比べるときに便利なように同じ体積で言いましょうという意味で、モル濃度では1Lを選びますが、1dLでも1mLでも統一していればいいわけです。また、モル数というのは個数の単位のひとつなのでモル数=個数と考えればよいので、モル濃度は「単位体積中の溶質の個数」という意味になります。つまり「そこに何個あるか」。

ところで、単位体積は同じならばどんな体積でもよいのですが、その単位体積としてものすごく小さな体積を使うとどうなるでしょう。分子Aが1個くらいしか入ることのできないような単位体積をとることも可能です。まるで点のような体積を単位体積として使うわけです。そのときの濃度をモルでなく「個」で表したとすると、濃度の値はどんな数値になるでしょう。その数値が1個/1単位体積だった(つまり濃度が1個)とすると、私たちは常にその体積の中にAが存在するのを見ることができます。それでは、濃度の値が0.5だったとしたら、それはどういう状態でしょうか。答えは「2回に1回はその体積の中にAが存在するのを見ることができる」です。もう、お分かりでしょうか。濃度とは、「ある地点にAが存在する確率の大小をあらわす数値である」と言えるのです。

それでは濃度の積は何をあらわしているのでしょうか
濃度は存在確率なのですから、確率の積が何を意味するかです。えー、数学で習った確率のところを思い出してください・・・・。

はい、事象Aの確率と事象Bの確率の積は事象Aと事象Bが同時に起こる確率でしたね。Aの濃度はAがそこに存在する確率、Bの濃度はBがそこに存在する確率です。それが同時に起こるという事はAとBが衝突していることを意味しますね。ですから、濃度の積というのはAとBが衝突する確率という意味をもつのです。

さて、もう少し。それでは[A][B]が衝突の確率であるなら、比例定数kとは何をあらわすのでしょうか。同じABの濃度でkが小さい反応と大きい反応では何が違うのでしょうか。衝突の確率は同じですから、ぶつかったからって全部反応するわけではないよってことですね。衝突したものの内どの位の割合が反応するのかという反応に有効な衝突の割合を示すのがkです。おそらくは反応の速度を実験的に調べてkの異なる反応を比べて活性化エネルギーの大小を論じるというようなことを先人たちはしてきたのだと思います。逆に言えばkの値を比べることが反応はどのように起きるのかを考える手助けとしていたのではないかと思います。

この考え方から平衡定数の持つ意味なども考えてみてくださいね。それでは今日はここまで。

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