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コロイド溶液とは何か。(溶けていると言える状態とは?)

今日は水溶液の話です。

水に何かを混ぜてどのような状態になったら「水に溶けました」と言えるでしょうか。
これ、聞いてみると色々な答えが出てくるんですが、答えに詰まっているときには、
「それじゃあ、どういう状態だと、これは溶けてないって言える?」などと尋ねてみると良いです。
そうすると多分、沈殿という言葉を答える人が多いです。沈殿しない液体を思い浮かべて、答えてもらうようにするといいです。

で、溶けていると言える状態ですが、三つの条件をあげられると良いでしょう。
(1)溶質が見えなくなる。ガラスのコップに入れた液体の向こう側が見通せる。
(2)溶質が落ちてこない。沈殿しないことの対極でもありますが。
(3)どこをとっても同じ濃さ均一な液体である。
この三つに気がついて欲しいですね。

この逆だと溶けてるとは言わないので
(A)液が濁っていて向こう側が見えない。
(B)混ぜたものが沈んでしまったり、逆に浮いてしまったりする。
(C)沈んでしまうのですから均一とは言えません。
という状態の場合は、溶液と呼ぶことはできないという事になります。

ところで、この三つの条件のうち、ひとつを除いて溶液の条件を満たしているという場合があります。
例えば牛乳です。牛乳は向こう側が見通せないだけで(2)と(3)の条件は満たしています。牛乳以外にも石鹸水は白くて薄い濁りがどれだけ水で薄めても残ってしまいます。これは溶液と呼んでいいのでしょうか。

実は、牛乳も石鹸水も「溶けた」と「溶けていない」の境界線にある水溶液なのです。向こう側が見通せない事を除くと、ろ紙で取り除くことも出来ず溶液と言えるような状態にあるのです。このような、境界にある溶液のことを「コロイド溶液」と呼んでいます。

コロイド溶液はなぜどんなに薄くしても濁りが残り透明とは言えない状態になるのでしょうか。
実は、溶解三つの条件が成り立っているとき、溶質の大きさが1ナノメートル(10のマイナス9乗メートル)より小さくなっているという事が分かっています。そしてそれより大きい場合はコロイド溶液となり、1マイクロメートルより大きいと溶けているとは言えない状態になるのです。つまり、溶質がある一定の大きさより小さくバラバラになれるならば溶けるということが出来るのです。溶けないものは小さくなれない。溶けるものは小さくなれる。逆説的にいうと普段水に溶けることが出来ないものも小さくバラバラになれれば溶けると言えるのです。
ものがとても小さくなると影が出来なくなります。このような状態になったとき物質は光を遮ることができなくなりその姿を消してしまうのです。小さくなることが透明で見えなくなることの理由だったのです。

溶質が水の中で小さくなることを支えている仕組みが水分子とくっついてしまうこと=水和と呼ばれる現象です。水和によって沈殿しないことも濃度を保つことも成立しています。大まかにいうと、溶質粒子同士の結びつきを切るのも、切った後に浮かして自由な動きを与えているのも水分子の水和のなせる技ということが出来るのです。牛乳はタンパク質の水溶液ということが出来ます。タンパク質は水分子ととても仲が良く水和をとてもよくしています。ですからタンパク質は小さくなっています。ところが、タンパク質の分子はとても多くの原子が結合して出来ている巨大分子なので小さくなるといっても限界があります。その限界の大きさが1ナノメートルよりも大きいのです。それで、タンパク質の水溶液はコロイド溶液となっているのです。

コロイド溶液の中には、本来水と水和しない性質のものであるのに工夫で水和しているものもあります。例えば墨汁ですが、もともと墨自体は濡れる性質を持っていません。それなのに水と墨や油を混ぜる物質を加えることによって水溶液となることが出来ています。油と水を混ぜるものといえば石鹸ですね。石鹸にはコロイド溶液をつくる働きがあるわけです。卵の黄身に含まれるレシチンには石鹸と同じ様な性質があり、それによってマヨネーズというコロイド溶液を作ることに役立っています。

今日はコロイド溶液とは何なのかということをテーマにお話をしました。コロイドの性質については別の記事を立てようと思います。





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