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なんで気体は何でも22.4Lなのか?

なんで気体は何でも22.4Lなのか?
気体はその種類によらず、標準状態で1モルの体積はニニンガシ22.4Lとは化学基礎で教わることです。でも、なぜ、どんな気体でも同じなんでしょうか。これは気体という状態のもつ特徴にその理由があります。

STEP1:気体という状態の特徴を説明する前に、物質の特徴を押さえておく必要があります。これ、結構面倒くさいです。面倒な人はパスしてSTEP2へ行ってください(笑)。でも、これこそが教書に書いてない…部分です。

(A)物質は粒子が集まってできている。
物質は元素が化学結合してできているということは習ったと思います。この化学結合には三種類あるのですが、大まかに言ってどのタイプの物質であっても、「物質には【構成粒子】があり、それが集まって物質を作っている」という事ができます。「1、2、3・・・と数えられる単位がある」っていうことです。(だから物質の量をあらわすのにモルという個数の単位が使えるのですよね。)

(B)構成粒子の行動を左右する粒子の性質
この粒子の性質として知っておきたい事が四つ(B1~B4)あります。
(B1)構成粒子間には引力が働いている。引力は構成粒子が何であるかによって異なる。例えば水素分子同士の間に働く引力と酸素分子同士の間に働く引力は大きさが異なる。(※1)
(B2)同じ粒子間の引力の大きさは(ア)近いほど強い(イ)遠ざかると弱い(ウ)遠すぎるとゼロといえる。引力の大きさは温度が変わってもその影響を受けない。
(B3)粒子は熱運動をしていて、隣の粒子にぶつかり相手を跳ね飛ばし、自分は跳ね飛ばされていて、その結果として「熱運動は引力を打ち消す効果(僕はこれを反発力を生じると表現しています)が生じる。
(B4)熱運動は温度が高いほど激しくなり、絶対零度では粒子の熱運動はゼロとなる。
この四つの性質から、物質の構成粒子の動きとして次の二点(B5,B6)に注目しましょう。
(B5)低温では構成粒子の引力が優勢で物質は固まっている。
(B6)高温では反発力が優勢になり物質はバラバラになろうとする。
同じ温度でも固体のものと液体のものがあるのは(B1)の引力が構成粒子によって異なるからです。引力が強いと高温にしても融けにくいのはこのせいです。融点・沸点の高低は粒子間力の目安になるというわけです。
粒子間力が同じくらいの物質を比較したとき分子量が大きいもののほうが融点・沸点が高くなりますが、これも分子量が大きいもののほうが引力(分子間力)が大きいからだと説明しています。

STEP2:気体という状態のもつ特徴
STEP1で、気体では構成粒子どうしが大きな反発力によって相手の粒子を跳ね飛ばそうとしているという事を説明しました。気体では、液体と違って「すべての構成粒子を引力の圏外にキープ」できるだけの熱運動があり、引力圏から脱出できる熱運動をしている粒子同士は袋に入れておかないと逃げて行ってしまい、もう戻っては来ません=「拡散」。袋に入れておいても、反発力によって粒子と粒子の合間には引力にとらわれて再集合しないだけの空間が発生しています。この空間を発生させることができる温度が沸点です(もし袋の外から袋を押す力が変わると沸点も変わります。すなわち外圧が変われば沸点は変わる)。
ここで大切なのは、「粒子と粒子の合間には引力にとらわれて再集合しないだけの空間が発生」という点です。つまり、「気体には隙間がたくさんある」のです。これが、気体という状態の持つ特徴です(それに注目しています)。
さて、この隙間の広さですが、何がそれを決めているでしょうか。それは熱運動です。熱運動が激しければ隙間は大きい。熱運動とはその気体の温度が高いほど激しくなりますから、結局
「温度が高ければ気体の隙間は大きい」という事ができます。
隙間は、実は構成粒子の体積よりはるかに大きいです。物質は粒子からなり、粒子は固有の大きさ(体積)を持っていますが、気体の場合はその体積より隙間の体積が気体としての体積を決めているのです。
すなわち「気体の体積とは隙間の体積であり、それは温度によって決まる」
これが状態方程式V=T×(nR/P)の意味です。T↑ならV↑。

STEP3:なぜ22.4L
気体の場合粒子の大きさは隙間によって関係なくなってしまっているのですね。だから
どんな気体分子でも22.4Lになってしまう。
ここで、もうひとつ気が付いてほしいことがあります。隙間の大きさを決める要素には熱運動以外に引力の違いがあるという事です。「引力が違う=引力圏の大きさが違う」はずなので、構成粒子によって引力が異なることもあまり影響がないという事実です。隙間が広すぎると引力ゼロ(B2)というわけです。

まとめ
気体の体積は隙間の体積。
隙間の体積は「分子の大きさ」「分子間力」が関係しない
なので、22.4L
ということになります。

でも、本当に「分子の大きさを考えない」「分子間力はゼロ」って言えるんでしょうか。
言えないのです。だから、多くの気体は状態方程式からのずれがあります。
ずれがない気体を「理想気体」といい、理想気体は「分子の大きさはゼロ」「分子間力はゼロ」な気体です。ずれのある気体を「実在気体」といいます。実在気体と理想気体のずれについては、次の記事をご覧ください。

【知っておくと後々役立つ「拡散」】
固体や液体と異なり、気体はその気体の構成粒子と粒子が大きく離れています。衝突はしているけれど常に接触している状態ではありません。激しく熱運動してお互いが周囲の構成粒子を跳ね飛ばしあっています。酸素という気体であれば酸素分子同士は激しくぶつかり合って相手を跳ね飛ばしている状態です。もし袋に入れられていなかったら跳ね飛ばしあった酸素分子は、粒子間の引力の圏内を飛び出てどんどん離れていき離散してしまいます。袋から逃げる性質が現れています。熱運動する粒子は(つまり絶対零度以上の粒子はすべてという事になりますが)離散していく性質を持っています。固体であれば昇華という現象が、液体であれば蒸発という現象がこれにあたります。固体や液体ではこの離散する性質は境界面でしか見られません。これに対して、気体の場合は袋や入れ物がなければ全方向に離散していきます。離散という言い方をしましたが、教科書では「拡散」という言葉で説明されています。この期待が特に強く持つ拡散という性質を表す尺度が気体の気圧です。壁があったら気体分子が壁を押す単位面積当たりの力が気圧です。(これは別のところで話そうと思いますが、液体が表面において拡散しようとする単位面積当たりの力を蒸気圧といいます。液体の上方の空間が閉じられていたら蒸気圧は液体上方の空間の気圧と同じです(平衡時)。

※1;実は粒子間の引力についてはもっと奥深いのです。質量をもつものは全てひきつけあっているとか、静電気力とか、ここでは三態の説明に必要な考え方として「引力あり」で済まそうとしています。







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