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原子やイオンの大きさ(半径)の大小を比較

原子やイオンの大きさ(半径)の大小を比較するとき
原子やイオンの大きさを同じ周期で比べたり、同じ属で比べたりしたとき、一定の傾向が見えることをどう説明するかが問われる問題があります。この説明は教科書にはみられない事が多いので、一応弁法のひとつを紹介しますね。
多分、パターンとして五つが主にあると思います。
(1)同じ周期で原子の半径がどう変わるか>>原子番号が大きくなると原子半径は小さくなる。原子半径 Na>Mg>Al>Si>・・・
(2)同じ属で原子の半径がどう変わるか>>原子番号が変わると原子半径は大きくなる。原子半径 Li<Na<K<Rb・・・
(3)陽イオンは元の原子半径より小さくなる Na+<Na
(4)陰イオンは元の原子半径より大きくなる Cl->Cl
(5)希ガスと同じ電子配置のイオンの半径は原子番号が大きいほど小さくなる>> O2->F->Ne>Na+>Mg2+
解説はいろいろな問題集にあると思うのですが、ちょっと丁寧に段階を追っていきます。

まず、基本的な電荷の性質を押さえます。
(A)電荷の間に働く力(静電気力・クーロン力)の性質
(i)(+)と(-)の間には引力が働く。(+)と(+)、(-)と(-)の間には斥力が働く。
(ii)クーロン力は電荷間の距離により大きさが変わる。近いほど大きく、遠ざかるほど小さく、うんと遠ざかるとゼロとなる。(だからといって重なることはできないが)
(iii)電気量が大きいほどクーロン力は大きい。同じ距離を隔てた、1+と1ーの間の引力より2+と2-の引力のほうが大きい。
原子やイオンは陽子と電子からできていますから、その挙動=原子核の周りを電子が飛ぶ飛び方はクーロン力の影響を受けて変わります。
また、電子が陽子の周りを引力を受けながら飛んでいて、クーロン力(引力)があるので原子核とくっついてしまわないのは、慣性の法則で説明することができます。太陽に地球がくっついしまわないのと同じ理由ですね。
(iv)1個の陽子と1個の電子がもし同じ場所にあったら電荷は打ち消しあってゼロになる。
以上です。(物理ではきちんと距離の2乗に反比例、電荷量の積に比例と教えます。だから化学だけでなく物理もラストまで習ったほうが良いんですが、現カリキュラムはそれを保証してないですね~)
(B)(1)~(5)の比較の説明
(1)同じ周期で原子の半径がどう変わるか>>原子番号が大きくなると原子半径は小さくなる。原子半径 Na>Mg>Al>Si>・・・
*同じ周期ということは、最外殻(いちばん外側の電子殻)が同じです。つまり同周期の原子を比べると、一番外側の電子はどれも原子核から基本的には同じ距離の電子殻に詰まっています。距離が同じなら中心の陽子の価数が多いほど強く引きつけられるので、電子は原子核に近い場所に寄って飛ぶように変わります。
もう少し別の言い方では、Naの最外殻であるM殻の電子は11+に引きつけられていて、Mgの最外殻であるM殻の電子は12+に引きつけられているのでMgの電子のほうが強く引力を受けているので締まった大きさになるという説明です。
(2)同じ属で原子の半径がどう変わるか>>原子番号が変わると原子半径は大きくなる。原子半径 Li<Na<K<Rb・・・
*同族で比べると最外殻がひとつづつ大きくなりますから半径も大きくなります。
(3)陽イオンは元の原子半径より小さくなる Na+<Na
*Naの最外殻であるM殻の電子1個は、その電子1個を取り除いたNaの残りの陽子11個と電子10個の合計の電荷を感じています。大雑把に言うと11+と10ーの合計1+の電荷を感じている。これがNa+イオンになるとどう変化するでしょうか。一番外側の電子はL殻の電子になります。これだけでも半径は小さくなるといえますが、さらにこのL殻の電子1個がその電子1個を取り除いた残りの陽子11個と電子9個の合計の電荷、つまり11+と9-の合計2+の電荷を感じています。原子の場合は1+、Na+イオンの場合は2+を感じるということで、Na+のほうが電子は強く引かれ締まった飛び方になるわけです。これって実は結構効果が大きく、NaClの結晶の図を見るとNa+がすごく小さく、Cl-がすごく大きく描かれているのはこのせいです。このひとつの電子が他の素粒子の合計の電荷を感じるという考え方を遮蔽による考え方といいます。覚えておこう。
syahei2.jpg

syahei1.jpg

(4)陰イオンは元の原子半径より大きくなる Cl->Cl
*遮蔽の考え方によればClのM殻の電子1個は17+と16-で「1+」を感じる。Cl-のM殻の電子1個は17+と17-で「+-0」を感じるので、膨らみます。
(5)希ガスと同じ電子配置のイオンの半径は原子番号が大きいほど小さくなる>> O2->F->Ne>Na+>Mg2+
どれも最外殻はL殻で中心電荷だけがMg2+に向けて増えていきますので締まっていきます。小さくなる。
以上です。




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